相続人の調査と相続人の範囲について知ろう!

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更新日:2021年09月22日

 ご親族がお亡くなりになって、相続手続を行うことになると必ず必要なのが相続調査です。何を調べるのかというと、相続財産と相続人の範囲です。ここでは、相続人調査の内容と方法について詳しくお伝えします。

相続人調査とは?

相続人調査

 相続人調査とは、誰が故人の相続人に該当するのかを調べることです。相続手続を始めるに当たり、相続権を持つ法定相続人を確定する必要があります。故人が生まれてから死亡するまでの全戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本を用いて家族関係を洗い出し、相続人を確定していきます。調査に用いる謄本類は、本籍地のある市町村役場で保管されているので、各役所に申請して入手します。途中、転籍と言って、本籍地を変更していると、申請する役所は1カ所では済まず、各々の本籍があった役所になります。収集する戸籍は、連続していることが重要で、抜けがあるとこの後の手続ができなくなります。また、相続人調査では、家族に知らされていなかった故人が生前に認知していた子の存在、養子縁組などの事実が発覚する場合もあり、非常に重要性の高い調査の一つです。
 相続人調査を自分でおこなう時間がなかったり、漏れなく集める自信が無かったりする場合は、弁護士などの専門家が遺族に代わって相続人調査を行うこともできます。

相続人調査によって相続人を確定する必要がある理由

遺産分割協議が無効になってしまうから

 遺産分割協議とは、特に遺言書が存在しない場合に、遺産相続に関して相続人で話し合い、遺産の分割の仕方を決定していく話し合いです。この遺産協議は、相続人全員の参加が必須条件なので、相続人が1人でも参加していない場合はどんな取り決めも無効となります。このため、遺産分割協議を開始するに当たり、相続人が誰かを確定する必要があるのです。

相続登記などの名義変更を行うことができないから

 相続人調査を行わない場合、基本的に相続登記や銀行などの名義変更手続を行うことはできません。例えば、銀行で預貯金名義変更を行う際、戸籍関連の書類提出が必要で、少なくとも相続人全員の戸籍謄本、故人の出生から死亡までの戸籍書類が必要になります。

一体、誰が遺産を受け取ることができるのか?

法定相続人

 遺産相続において誰が相続すべきかについては、民法で定められています。法律上、相続権を持っている方のことを法定相続人と言います。では、一体誰が故人の法定相続人に該当することになるのか、詳しく見ていきましょう。

夫・妻は必ず法定相続人になる

 故人に配偶者がいる場合は、その配偶者は必ず法定相続人となります。そして、それ以外の法定相続人に該当する人物には順位があります。

その他の法定相続人には順位がある

 先ず第1順位に該当する法定相続人は、子どもです。別れた妻や夫との間に子どもがいる場合、その子どもも法定相続人に該当します。また、血縁関係にある子どもだけでなく、養子縁組をしていた場合、養子になっている子どもにも相続権が与えられています。さらに、婚姻関係にない女性との間に生まれた子ども(婚外子)がおり、認知していた場合には、認知されている子どもも法定相続人です。他にも、相続人になるはずだった子どもが既に亡くなっている場合には、更にその子ども(故人の孫)が法定相続人(代襲相続)になります。
 次に第2順に該当する法定相続人は、親です。故人に子どもも孫も(第1順位の法定相続人)いない場合、故人の親が法定相続人となります。また、両親共に亡くなってしまっている場合には、故人の祖父母が存命であれば両親に代わり法定相続人となります。
 そして、故人に子どもも孫も(第1順位の法定相続人)親も祖父母も(第2順位の法定相続人)いない場合、兄弟・姉妹が第3順位の法定相続人に該当します。兄弟・姉妹が亡くなってしまっている場合、兄弟・姉妹の子どもが法定相続人(代襲相続)となります。

法定相続人の範囲に関する注意点とは?

相続放棄

 故人が借金をしていた場合、その借金を相続したくない場合には、家庭裁判所での手続で相続を放棄することができます。すると、相続放棄をした人はもともと相続人では無かった扱いになります。つまり、相続を放棄した人は、法定相続人の範囲に含まれなくなります。するとどういったことが起きるかというと、例えば、親が健在で妻子のある夫が亡くなった場合、通常であれば法定相続人は妻と子になります。しかし、ここで第1順位の法定相続人である子が相続を放棄すると、この第1順位の法定相続人はもともといなかった扱いになるので、第2順位である親がこの場合の相続人となるのです。
 法定相続人が相続を放棄した場合、もともと相続人として存在しなかったことになるとはいっても、代襲相続規定は適用されないので、例えば、相続を放棄した人に子どもがいても、その子どもには相続権は写りません。

内縁の妻(夫)

 故人と法律上の婚姻関係に無い以上、相続権はありません。内縁の妻に財産を残したい場合は、遺贈する内容の遺言書を書いておく、生前贈与をしておくなどの工夫が必要です。

異母(異父)兄弟姉妹

 故人に認知された婚外子がいた場合、故人の子ども達は異母兄弟同士で法定相続人になります。では、故人に子も親もなく、第3順位の兄弟姉妹で遺産相続をする場合、故人の異母兄(異父)弟姉妹はどうなるのでしょうか。
 これまで見てきた様に相続では家族関係(配偶者や養子)と血縁関係(親子や兄弟姉妹)が重要視されています。異母兄(異父)弟姉妹は、両親の内、母か父の片方(半分)で血の繋がった兄弟姉妹ということで半血兄弟姉妹ともいわれます。これに対し、両親とも同じ兄弟姉妹は全血兄弟姉妹といいます。
 これらのことから、半血兄弟姉妹は第3順位の法定相続人になり得るものの、その法定相続分(法律で定められた相続割合)は全血兄弟姉妹の半分となっています。

内縁の妻(夫)の子ども

 婚姻関係の無い内縁の妻との間に子どもがいる場合、その子どもは夫が認知していない限り、夫が亡くなった時に法定相続人になることはできません。ですから、内縁の妻の子どもへ自分の財産を相続させたい場合、生前に(もしくは遺言書で)認知手続が必要となります。それ以外では、内縁の妻と同様、遺言書に遺贈する旨を明記しておく、生前贈与をしておくといった方法で財産を継承させることになります。

再婚相手の連れ子

 再婚相手の連れ子は、法律上は養子縁組を行っていない限り、親子関係がありません。なので、基本的に、法定相続人に該当しません。したがって、連れ子に自分の財産を相続させたい場合、養子縁組を行っておくか、遺言書で遺産を渡す相手に連れ子を指定して遺贈するなどの対策をとることになります。

離婚した元妻・元夫

 法定相続人になる配偶者は、相続が発生した時点で婚姻関係にある相手です。離婚が成立している元妻・元夫は、婚姻関係が解消されているので法定相続人には該当せず、財産を相続することにはなりません。一方、現在、別居中や離婚協議中であったとしても、まだ離婚が成立しない間に配偶者が亡くなれば、故人の配偶者は法定相続人にとして遺産を相続する権利を持ちます。

養子

 故人と血縁関係が無くても、養子縁組によって生じた親子関係により、養子は亡くなった親の相続人になります。これは、内縁の配偶者の子どもや再婚相手の連れ子に限りません。養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があり、普通養子縁組による養子は、養親の法定相続人になるばかりでなく、実親の法定相続人にもなり、特別養子縁組による養子は養親のみの法定相続人になります。

胎児

 夫が亡くなった際に妻が妊娠中で、その後、無事生まれた子どもは、相続発生時には胎児であった訳ですが、法定相続人に該当します。しかし、死産してしまった場合には、相続発生時に胎児だった(生存していない)ことから法定相続人になりません。このため、胎児が関わる相続に関しては、胎児の出生を待って遺産分割を開始するのが一般的です。時には、その子どもが本当に故人の子どもであるかどうかが争われることもあります。

行方不明者

 故人の遺言書が無く法定相続人が複数いる場合、遺産を分ける為に遺産分割協議を行うことになります。この遺産分割協議は、必ず法定相続人の全員参加が必須なので、法定相続人の中で行方不明者がいる場合、遺産分割協議を進めることができません。このような場合、裁判所で失踪宣告申立てや不在者財産管理人選任申立てを行うことができます。行方不明から7年経過している場合は失踪宣告が承認され、この行方不明者は死亡したと見なし、その他の法定相続人で遺産分割協議を行うことができます。行方不明から7年経過していない場合は、不在者財産管理人を選任して、不在者財産管理人が行方不明者に代わって遺産分割協議に参加することで話し合いを進めていくことができます。

相続欠格・相続廃除に該当する者

 相続欠格とは、相続に関わる秩序を乱すような違法行為や反社会的行為をおこなった法定相続人となる人の相続権が法的に剥奪されることをいいます。また、相続廃除とは、故人が生前に法定相続人となる人から虐待や侮辱を受けるなどした場合に、その相続人の相続権を家庭裁判所での手続や遺言書により事前(相続が発生する前)に剥奪しておくことをいいます。相続欠格や相続廃除に該当した者は相続権が失われるため、遺産を相続できなくなります。ただし、相続欠格や相続人廃除に該当した者に子どもがいる場合には、その子どもは代襲相続で法定相続人の地位を得ます。

相続人調査は専門家に依頼できる!

 身近な親族を失って直ぐに開始しなくてはならない相続人調査は、予想以上に精神的負担の大きい作業です。戸籍収集の過程で、それまで知らなかった法定相続人の存在が明らかになったり、長らく音信不通になっている親族の行方を追わなくてはいけなくなったりすれば尚更です。ましてや、故人に借金があった場合、相続放棄のできる3ヶ月以内に結論を出さなくてはなりません。ご自身での調査に困難を感じたら、専門家に依頼することもできることを知っておくと、少しでも気が休まるかもしれません。

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