遺産相続の方法とは?遺産相続の流れについて知ろう!(その2)

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更新日:2021年05月27日

 その1)では、故人の死後14日までにおこなう手続について説明しました。今回は、それ以後に必要な手続について説明していきます。

⑤1〜3ヶ月程度を目安におこなう手続

 ここで説明する手続で期限の定めがあるものは、相続放棄・限定承認だけですが、その他の手続は相続放棄・限定承認をおこなうかどうかの判断材料として必要な手続となりますので、この時期におこなうのが一般的です。

遺言書確認

 遺産相続手続は、遺言書の有無で進め方が変わってきます。遺言書があれば、ほとんどの場合で遺言書の内容に沿った遺産分割をおこなうことになりますが、遺言書がない場合、また、遺言書があっても何らかの理由でその遺言書が無効である場合には、相続人全員で遺産をどう分割するか話し合って決定することになります。ですから、遺産分割について話し合いを始める前に、まず、遺言書の有無を確認しましょう。故人が公正証書遺言を作成していた場合および自筆証書遺言の保管制度(2020年7月以降)を利用していた場合には、遺言検索システム(日本公証人連合会)に登録されている故人の本人属性(氏名・生年月日等)や作成日・保管場所といったデータベースを公証役場で検索できます。遺言検索システムを利用できるのは相続人および利害関係者で、閲覧のためには故人の死亡の記載がある戸籍謄本、請求者が相続人であることを確認できる戸籍謄本および3ヶ月以内に発行された請求者の印鑑証明書が必要です。  遺言書の確認自体には期限はありませんが、この後に控えている期限のある手続に遺言書が必要となることもありますので、この頃には済ませておく方が安心です。

遺言書検認

 自筆証書遺言の内、先述の保管制度を利用されていなかったものを見つけても勝手に開封してはいけません。この様な遺言書を見つけたら、故人の住所地を管轄している家庭裁判所に遅滞なく検認を申し立てなくてはならないからです。検認とは、相続人に遺言の存在およびその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。遺言の有効性を判断する手続ではないことを理解しておきましょう。検認の必要な遺言書を検認することなく開封した場合、5万円以下の過料に処せられる可能性もあります。 検認の申し立てをすると、家庭裁判所から相続人に連絡された検認期日に、家庭裁判所で裁判官により遺言書の開封と確認が行われます。申立人以外の相続人が検認期日に出席するかどうかは,各人の判断に任されており、全員がそろわなくても検認手続は行われます。 検認後、遺言を執行するために遺言書に検認済証明書が必要となるので、検認済証明書の申請(150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要)し、発行してもらいます。

相続人調査

 遺言書がない場合、相続人全員で遺産の分配を決定する必要があります。これを遺産分割協議といい、協議をおこなうには誰が故人の相続人であるかを確定するための調査が必要になってきます。相続人調査では、故人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本や除籍謄本などを確認する必要があるので、故人の本籍地である市区町村役場に申請して取り寄せます。  戸籍謄本や除籍謄本は、生命保険金の請求などその他手続に必要な場合もありますので、事前に必要部数を確認しておくか、念のため2部ずつ取っておく、もしくは次に説明する法定相続情報一覧図を作成することも考慮しましょう。

法定相続情報一覧図の作成

 法定相続情報証明制度は、2017年5月29日から運用開始された制度で、故人が生まれてから亡くなるまで、複数枚にわたる戸籍謄本や除籍謄本の束と相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を登記所(法務局)に提出すれば、登記官がその一覧図に認証文を付した写しを無料で交付する、といったものです。  相続手続では、戸籍謄本や除籍謄本を求められることが多くありますが、法定相続情報一覧図の写しは故人と相続人の関係図と各人の戸籍にある情報を一覧図にまとめたもので、相続手続必要な謄本を代替できるものです。謄本の発行には1通300円程度からの手数料がかかりますが、法定相続情報一覧図の発行は無料であることも利点です。

相続財産調査

 遺産分割協議をおこなうにあたっては、相続財産を把握する必要があります。故人の生前の生活を知らない場合、故人の持ち物から財産を推察し、調べていくことになります。通帳が見つからない場合は、金融機関で口座の有無を調べてもらいます。また、不動産については、市区町村役場から送られる固定資産税の課税明細書で確認できますが、見つからない場合は、市区町村役場の資産税課で確認できます。なお、相続財産には借金も含まれるので、故人に借金があった場合、相続人が代わりに返済する義務があり、借金の有無もしっかり確認しましょう。  存在の確認できた財産は目録にしておくと、遺言書に書かれている財産内容と照らし合わせたり、後に遺産分割協議をおこなったりする際に役に立ちます。

相続放棄・限定承認

 故人に多額の借金があり、その借金を相続したくない場合、相続人は相続放棄や限定承認の手続をおこなうことができます。相続放棄とは、マイナスの財産である負債だけでなく、プラスの財産も含め遺産を一切受け取れなくなりますが、故人の借金の弁済が不要になります。限定承認と言うのは、相続した遺産の中から債権者に借金を返済することができ、残金があれば受け取ることができる手続になりますが相続人全員で行うことが必要です。相続放棄・限定承認は、相続の開始を知ったときから3ヶ月以内におこなう必要があります。

死亡保険金の請求

死亡保険金の請求期限は、多くの場合、保険法に基づいて保険会社の約款に3年であることが記載されています。しかし、請求に必要な添付書類がここまでに説明した手続に必要な書類と同じ物であることが多いので、故人が加入していた保険を把握できているのであれば、この頃までに済ませておくと良いでしょう。 特に、相続税の申告が必要な場合には、受け取った保険金が課税対象になる場合もあるので、遅くとも相続税の申告準備を始めるまでには請求を済ませておく方が良いでしょう。

⑥10ヶ月までにおこなう手続

遺産分割協議

 遺産分割協議とは、故人の遺した財産を相続人の間でどのように分けるか話し合うことです。遺産分割協議にも期限があるわけではありませんが、ここまで説明してきたように故人の死後3ヶ月までには、相続人が誰であるか、遺産に何があるかなど、遺産分割協議に必要な材料はおおよそ出揃ってきます。また、相続税の申告・納付が必要な場合には、その期限が故人の死後10ヶ月なので、一般に、それまでを目安に遺産分割協議をおこないます。  遺言書が無かった場合、また、有っても無効であったり、その内容に疑義があったりする様な場合には、相続人全員が集まって遺産分割協議をおこないます。相続人が一人でも欠けると協議は無効になるので、相続人の中に行方不明者がいる場合には、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任申立をおこなうことにもなります。  遺産分割協議で意見がまとまらない、また、一部の相続人が協議に参加しないといった場合には、家庭裁判所で遺産分割調停を申立て、調停委員を間に入れて話合いを進めることができます。調停でも協議がまとまらない場合は、遺産分割審判へと進むこともできます。

相続税の申告および納付手続

 相続人が相続によって故人の財産を取得すると相続人には相続税が課せられます。相続税の申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。相続税は誰もが申告する必要があるわけではなく、相続税の課税対象となる基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えなければ申告は必要ありません。相続税が課せられる財産は遺産分割の対象となる財産とは異なるので注意が必要です。また、相続税は基本となる総額を計算し、各相続人が相続する財産の割合及び事情に応じて納税額が決まります。このことから、相続税の申告・納付時には、遺産分割が終了していることが望ましいですが、遺産分割協議がまとまっていない場合には、ひとまず法定相続分で分割したものとして申告・納付を済ませ、遺産分割協議終了後に修正申告する場合が一般的です。申告期限を過ぎると加算税や延滞税などが発生するばかりか、節税に関わる特例を適用できなくなります。相続税については、国税庁のサイトで詳しく説明されているのでご参照下さい。

⑦1年までにおこなう手続

遺留分侵害額請求

 遺留分というのは、兄弟姉妹以外の相続人に法律で保証されている最低限度の相続分をいい、この遺留分を侵害された法定相続人は遺留分侵害額請求をすることで、遺留分を確保することができます。この遺留分侵害額請求ができる期間は、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で時効となります。また、故人の死後10年でも時効となります。  遺留分の侵害は多くの場合、遺言書の定めにより遺産分割しようとしたときに起きるケースが多くあります。遺留分侵害額請求では、遺留分を侵害された人が遺留分を侵害するような遺贈・生前贈与を受けた人に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができます。遺留分の侵害額は、計算の基準となる遺産総額に左右されるので、専門家にご相談されることをお勧めします。

⑧その他、2~5年以内におこなう手続

 葬祭費の給付申請手続と高度療養費制度による払戻しの期限は2年、遺族年金の受給申請と未支給年金の請求期限は5年です。ただし、これらは単独でこれらの時期に手続をおこなうというよりは、例えば葬祭費の給付申請手続であれば、先に説明した国民健康保険の資格喪失届の提出時に、といったように他の手続の際に一緒に手続できるものですので、事前に関連手続を把握しておけば手間を減らすことができます。

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